企業経営において、事故などの際に巨額の損害賠償額や補償額が発生することがあります。
また、建設現場などでは、大手の下請け業者として現場に出入りする中小企業のスタッフにたいして、労災上乗せ保険に加入していないと、現場に出入りできないなど、損害保険は中小企業のリスクマネジメントになくてはならないものと言えるでしょう。
この損害保険の保険料は、保険会社が決めた料率で契約しないといけないのですが、安くする方法がいくつかあります。
今回はその方法について解説します。
複数の保険会社から相見積もりを取る
同じような補償内容でも保険会社が異なれば、保険料の高低が生まれます。
1つの保険会社の見積もりのみを見て判断するよりも、複数の保険会社の保険料を見比べて判断する方が有利なのは当然です。
一度に比較するのであれば、複数の保険会社を取り扱っている代理店に依頼すれば対応は早いでしょうが、専属の代理店しか付き合いがないのであれば、他の保険会社の代理店に別途見積もりを依頼することになります。
他社の見積もりを見せて割引をきかせてもらう
相見積もりと同じ方法とも言えますが、ある保険会社の代理店の営業員が他社とバッティングした場合、過去に事故がほとんどない企業などであれば、保険会社で割引をきかせた保険料を提示してくることがあります。
もちろん、企業側から何も言わないと自らの実入りが減るような割引はしてこないかもしれませんが、どうしても契約を取りたい場合に、保険代理店の方から割引料率を提示することがあります。
ただし、先述の通り事故の確率が極めて低いような企業のみへの対応と思っておいた方が良いでしょう。
商工会議所などの割引料率を利用する
商工会議所などの団体に所属している企業であれば、損害保険の保険料がかなり安くなることは意外に知られていません。
商工会議所と並び、商工会も同様です。この2つの団体は名称も似ていて違いがわからないという方も多いかもしれませんが、ここでは説明は省きます。
これらの団体に所属しているだけで、特定の保険の保険料が30%以上安くなることもあり得ます。
理由は、商工会議所の会員数は122万人、商工会は81万人を超えるため、大口の割引率が適用されると考えていただければいいと思います。
代表的な保険は、
ビジネス総合保険
業務災害補償
情報漏洩賠償責任保険
知的財産訴訟費用保険
PL保険
などです。
保険種類ごとに割引率も異なりますが、団体に所属していたら是非活用していただきたい制度です。
その他の団体割引を使う
商工会議所や商工会の会員でなくともこれらの割引をきかせられる方法もあります。
全国中小企業団体中央会(中央会)という組織があり、中小企業組合が中心となって組織されています。
この中央会傘下の組合等に所属している事業者であれば、中央会が提供する損害保険の割引制度が活用できます。
この中央会を含めて商工会、商工会議所をまとめて、損害保険業界では、商工三団体などと呼ぶことがあるようです。
まとめ
これらのように、中小事業者であっても大企業のような割引制度の恩恵を受けることも可能です。
ただし、商工会議所や商工会、中央会の傘下組織に加入するには会費が必要になります。
保険料が安くなるのは喜ばしいことですが、各団体で仕事につながる情報を得られたり、交流会などで人脈が広がったりすればいいですが、あくまでもコストパフォーマンスを見ての話だと思いますので、良く検討して団体に所属するかどうかをご判断ください。
当協会でも、各団体への加入等の相談を受けておりますのでお気軽にお問い合わせください。